Deflux®を注射するだけの、痛みがない治療法です。

Defluxとは:

Deflux注入材は、ヒアルロン酸ナトリウムとデキストラノマービーズの二種類の物質のまざったものです。それぞれの物質の役割は、ヒアルロン酸ナトリウムは食塩水でいえば水の役割を果たし、デキストラノマービーズは注入部位に留まって、ゆっくり周囲となじみながら、ふくらんだ形をたもつ役割を果たします。次第に自分の体で作られた繊維組織に置き換わっていき、逆流を起こさない状態が維持されます。

膀胱鏡下注入療法の原理

Deflux注入療法の原理:

膀胱尿管逆流症は、尿管が膀胱壁をつらぬく部位(尿管口といいます)の異常からおこります。この尿管口の形を、いい形にすることによって逆流を防ごうとするのが膀胱鏡下Deflux注入療法の原理です。図のようにDefluxを尿管口に注入することによって広く開いた口が狭められるようになるのです。

膀胱鏡下注入療法の原理

Deflux注入療法が有効な逆流の程度(適応)

膀胱尿管逆流症に対する治療法は、

逆流の程度と年齢によって判断します。Deflux注入慮法が特に有効なのは、一歳以降の逆流の程度がグレードIIIV度です。
子供たちは発達過程にあり、ごく軽い逆流(グレードI)が一歳未満の乳児にみつかった場合には、自然に改善することがあるので、すぐにDeflux注入療法をおこなう必要はありません。
一方、逆流の程度のひどいグレードVに対しては、従来の手術が欧米では勧められています。しかし、一歳未満のグレードIIIVや、グレードVに対しては主治医の判断によって施行することもあります。

逆流の程度分類および年齢別治療法

Defluxの注入の実際

全身麻酔をかけて、眠った状態で治療をおこないます。尿道から、膀胱鏡という直径数mmの細いカメラを膀胱内まで挿入して、膀胱内を観察します。尿管口を観察しながら、膀胱鏡の中に細く長い注射針を挿入して、尿管の出口付近にDefluxを注入します。注入量は1ml前後です。両側とも逆流があれば、同時に注入することが可能です。注入に要する時間は15分ほどです。注入後、膀胱鏡を膀胱から抜き、麻酔が覚めれば終了です。

注入のイラスト,Deflux注入時の膀胱鏡写真

Deflux注入療法の治療成績

グレードIIIVまでのDeflux注入療法を一回行った時の治療効果は、グレードIIでは95%、グレードIIIでは71%、グレードIVでは43%という報告があります。このように逆流の程度がひどいほど治療効果は低くなります。これは、逆流の程度がひどい場合には、一回の治療では逆流を完全に抑えきれないことがあるということで、効果がないということではありません。一回目の治療後に逆流が残存する場合には、再度注入療法を行います。また、最近では、注入部位を若干変えることによって、より良好な治療効果が得られるという報告もあり、治療成績は向上しています。